春
いつの間にか 月日は流れて あの頃の想い 胸の奥 残したまま
気づけば そう 季節は移ろい 花降る 特別な春へ…
幼き日々 笑いあった 愛し君と 懐かしき故郷(ふるさと)
小籠を手に 花降る季節を 幸せな 笑顔に囲まれて
いつか この道を通る日は 君が隣に いると思っていた
いつの間にか 手と手は離れて 指のあいだ すり抜けてく温もり
気づけば もう 違(たが)えた道筋 導かれて 特別な春へ
夜の帳(とばり) 涙かくす窓辺に 闇を裂いて 懐かしき足音
愛し君は 小籠手にうたう 戻れない 淵の向こう
誰かのためにと 言いながら 傷つくことばかり 怖れていた
揺れる想い 触れ合った 指先 確かめあう 遠き日の約束…
もう少しの 勇気持てたらよかった
その手を取り 逃げ出せたらよかった
朝がくれば “私”の名もなくなる
花降る 特別な春
いつの間にか 月日は流れて あの頃の想い 胸の奥 残したまま
気づけば そう 季節は移ろい 花降る 特別な春へ
それでも……
君の笑顔 まだ 消えない
